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 全ての中堅・中小企業は伸びる可能性を持っています。
「丈の異なる板の桶論」
 経営は桶のようなもので、桶の板の高さが異なる場合には、努力は丈の低い板の所から漏れるので努力も効率が悪くなる。中堅・中小企業は丈が異なる板がある場合が多いので、努力が無駄になっている。低い板を伸ばすことで、努力が生きて中堅・中小企業も発展できる。
 つまり、企業体質のアンバランスを是正できれば、伸びる可能性を生かすことができるのです。

【読者の声】

■経営改善のヒントに

●科学的・論理的展開により問題点が客観的に理解でき、具体的な方策が思い浮かぶところが受けるのではないかと思います。(税理士・【正会員】

●御社のメールニュースは大変参考になっております。
 特に事例を用いた内容が分かりやすく勉強になります。
(経営コンサルタント会社:代表)

●先日パスワードを受けとり、粗方全部読ませていただきました。一度速読しただけですが、物事の捉え方・考え方・アドバイスの仕方等非常に勉強になりました。 この会費では、安すぎるかも知れませんね.今後ともよろしくお願いします。   (社会保険労務士 40代【正会員】

●いつも拝読させていただいておりますが、毎回すばらしい内容です。  特に今回は感じるものがありました。  ありがとうございます。  判断基準としていつも参考にさせていただいております。    (【プレミアム版】読者からの感想)

■その他

実践!経営アップいつも感激しながら読んでおります (不動産業:常務・50代【正会員】
●おもしろい   (OA機器販売等:社長・50代【正会員】)  他


 289.中小企業が業績を上げる為の市場戦略とは

 発展するために有効なのは、ある分野で一番になることと、伸びている分野に関わることです。

 伸びている分野に関わると、そうでない分野に関わるよりも伸びるのは容易なのです。

 例えば、液晶テレビが売れれば、液晶テレビのディスプレイを製造しているメーカーには注文が多くなります。液晶ディスプレスの関連部品メーカーの売上も増えるようになります。つまり「伸びている分野」は需要が増えるので売れるようになるのです。

 また、特定の分野で一番になることは、販売・利益率ともに有利になります。
 これは次の事情によります。

 景気が悪くなりますと、まず取引が少ない所から切られます。その上で徐々に取引の大きい企業への発注量が減ってくるのです。
 逆に景気が回復に向かうようになりますと、まず従来の大口取引先から取引量を拡大していき、ある数量になったところで取引の少ない企業への発注が始まるのです。
 ですから、不況・好況のサイクルを繰り返す度に大きな企業はますます大きくなるし、小さい企業と格差がどんどん開いてくる、ということになるのです。
 
 また、一番企業には問い合わせが多くなります。
 この理由は、「食堂にはなぜランチがあるのか」を考えると理解できます。
 「食堂にランチがあるのは、選ぶのが面倒な人が多い」からです。ランチとして設定しておくと、そのメニューが良く売れるのです。
 一番企業を選ぶというのも、次のように「簡単に良いものを選ぼうとする心理」が働くのです。
 多くの商品の中から選ぶのに資料を検討してからというのでは時間もかかってしまいます。一番になっているというのは、良いから一番なのだろうと思う人が多いのです。実際は、「良い商品」ことよりも「売り方がうまい商品」が売れるのですが、「良いから一番になっているのだろう」と思う人が多いので、一番となっている商品は、一番であるがゆえに更に売れるようになるのです。
 行列の出来るラーメン屋では、最初はサクラを使って行列を作ったという店もあると言われています。日本人はブームに弱いから、尚のことこの効果が出やすいのです。

 一番は売るのに相対的にコストがかからないようになるので、利益率も高くなるのです。

 しかし、競争が同じ土俵で続くような場合には、後発ではなかなか一番を取る事は難しくなります。そこでどうするかですが、考えられるのが、「ニッチ戦略」です。

 市場・用途を限定すれば、その市場・用途で一番を取る事が可能となるのです。
 
 この「ニッチ戦略」で成功したのが、松下電器産業の「モバイルノート」「レッツノート」です。
 少し解説しましょう
 松下電器は1964年にコンピューター事業から撤退しましたが、83年にIBMブランドのパソコンをOEM生産することで、コンピュータ事業に再参入しました。
 しかし、90年代半ばから独自ブランドのパソコンを出しましたが思うようには販売が伸びなかったのです。95年にはレッツノートの前身となる製品を出すも、ヒットしなかったのです。

 2001年にはAV(音響・映像)機能を強化したAVパソコンが人気になっていたので、松下でもAVパソコンの専門部隊を設立しますが、これも失敗したのです。

 そこで考えたのが「ニッチ戦略」でした。「仕事に使うモバイルノート」という分野に絞ることにしたのです。そのために、「軽さとバッテリーの駆動時間に開発の重点を絞った」のです。流行・規模は追わないで収益性を改善することにしたのです。
 その結果、2002年にR1シリーズを発売します。重さ960gで世界最軽量、バッテリー駆動時間は6時間となりました。
 このニッチ市場向け商品を販売する為に、営業のやり方も変えました。
 今までは営業マンが会社を訪問して契約を取っていたのですが、それを電話営業中心の体制に切り替えたのです。「脈あり」と判断したら営業に引き継いで営業が訪問するのです。
 
 この結果、モバイルノートの国内市場規模は約150万台(2004年度−松下予測)と言われる中で、松下のレッツノートは約30万台で2割を占めるようになったのです。松下のレッツノート事業は高収益体質に変わったのです。

 この松下電器産業のレッツノートのように、ニッチ市場なら一番も可能なのです。一番なら利益も確保できるようになるのです。

 但し注意しなければならないのは、そのニッチ市場の規模です。
 小さすぎると、利益が出なくなります。
 例えば、松下電器の例でも1990年代の後半には「ファンの声を重視してカメラやPHPを内蔵」したユニークな商品を出し、一部のファンには支持されたのですが、顧客層が広がらずに赤字が続いていたのです。

 また、逆にニッチ市場が大きすぎると、大企業が出てきて自社が駆逐されてしまうという虞もあります。
 従って、中小企業が狙う「ニッチ市場」は、小さすぎず、大きすぎずという市場が望ましいということになります。

 御社では「一番になれる市場」を考えていたでしょうか?

---*---*---*--- 
参考資料:レッツノートについて
     日経ビジネス 2004年11月15日号

(経営コンサルタント 山田勉)

※ここに掲載したレポートは、
メルマガ「実践!経営アップメール」「会社の◆経営体質を診断する!」
配信したものの一部を掲載しています。
レポートの内容は、最初に公開した当時のまま掲載しています。

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 「わかっちゃいるけど」、と経営体質を変えようとしない、というようなことはありませんか

 なぜ経営体質を変えようとしない企業が多いのでしょうか。
 御社では「わかっちゃいるけど」、と経営体質を変えようとしない、というようなことはなかったでしょうか。
 この問題を考えてみましょう。

 経営体質を変えようとしない場合として、まず、「現状の問題を認識できない」という状態が考えられます。「問題があるとは思っていない」ということです。自社の仕事しか見えていない人には問題が見えない人も多いのです。
 また、経営について勉強していないと次のような状態になっている人も多いのです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□業界では問題だとしても、自社の問題ではないと思っている
□問題があるとしても、問題の大きさを認識できない
□問題があるとしても、問題が現実化するのはかなり先になると思っている
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 また、本当はわかっていないで、「そうらしい」という認識でいる場合に「分かってはいるが」という場合も多いのです。
 問題が分かっていない、問題が漠然としている、という状態だと、危機感も出てこないのです。すると変えようという意識が出てこないのです。

 自社に問題があると認識できるためには、次の3つが必要となるのです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.自社の「あるべき姿・状態」はどのようなものか
2.自社の経営状態はどのようになっているのか
3.「あるべき姿・状態」と自社の経営状態との差をチェックしているか
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 自社の「あるべき姿・状態」を明確にするためには、「戦略的中期経営計画」を策定することです。数値を中心とした中期経営計画ではなく、経営体質を強化するための中期経営計画です。
 3年先にはどのような経営環境になっていて、自社が3年後に存続・発展しているためには「どのように」なっていないといけないのか。
 3年後に自社がそのような状態になっている為には、経営体質をどのように強化していかないといけないのか。
 その強化する方法を計画に落とし込むという方法です。
 
 次に、「問題があるとしても、変える方法が分からない」という方もいます。
 例えば、事業を始める時に同業者のまねをして作った「売れる仕組み」があまりにもうまくいったので発展してきたが、変える方法が分からないという方も多いのです。下請けで来た企業ではこのような方も出てきます。
 この場合はコンサルタントに依頼をした方が良いでしょう。

 多くの方は次のような状態になっています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□問題があるとしても、そのうちにと思っている。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 いわゆる「先送り」という状態です。

 人は現状を変える事に抵抗があるものです。現状維持が最も精神状態が安定するからです。

 また、「変えるより、今のままで良い」、と思う人もいます。
 その中では、「問題があるとしても、改善するのは大変だから、むしろ今のままで良い」と思っている人もいます。
 中には、「問題があるとしても、少しずつ改善していけば良いと思っている」という経営者の方もいました。
 また、問題を複雑に考えすぎてしまう方もいます。

 このように思ってしまうと変わらないものです。

 なぜ、このように変えたくないと思うのでしょうか?
 それは、変えた先のことが予想が付かないからです。
 暗闇の道は誰しも不安を覚えます。だから、先が見えない方に変えようとは思わないで、問題はあっても今までのやり方をしようとするのです。

 このような人は、まず次の点を考えてみましょう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□今の状態でいったら、
 3年後にはその問題はどのようになっていると考えられるでしょうか?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 小さな変化に気付いて大きな問題意識を持つことができれば良いのですが、持てない場合には、問題を大きくしてみることです。その為には3年後を考えてみる事です。

 それほど問題はないというのであれば、次の点を考えてみましょう。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□では、5年後にはその問題はどのようになっていると
 考えられるでしょうか?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 それでも「それほど問題はない」ということであれば、その問題は大きな問題ではなかったのかもしれません。

 しかし、多くの場合は、色々と問題が出てくる事を認識されるはずです。
 この時、「少しずつ改善していこう」という考えであれば、なかなか変わらない可能性が高いと考えられます。

 また、大きな問題を認識したとしても、「わかっちゃいるけど」、と経営体質を変えようとしないという方も出てきます。

 この場合は、次の点を考えてみましょう。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□もし、それが改善されたら、何がどのように変わるのか
 売上高、利益高、生産性はどのように変わるのか
 現在と比較して、どの程度改善される事になるのか
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 この点を十分に考えてみる事です。
 変えた後の状態がより良い状態になるとイメージできれば、改善の方向に向かって動き始める勇気が出てくるものです。

 改善の際には、経営コンサルタントを活用する事が有効です。改善は、時間をかけずに短時間でやることが重要で、早く結果が出るほど効果も高くなるからです。

 但し、中小企業で経営コンサルタントを依頼する場合は、大企業を顧客としている大手コンサルティング企業よりも、中小企業を専門に活動しているコンサルティング企業の方が望ましいでしょう。
 なぜなら、中小企業の場合には、その企業の問題点を多面的に認識しておかないと、改善の効果はなかなか出しにくいからです。大企業のように、経営の一部を改善すれば済むというのと改善の仕方が違うのです。中小企業では、全ての経営の問題が絡んでいるからです。中小企業の方が改善は難しいのです。
 また、人事は専門で人事制度は作りますが、経営計画は専門でないのでうちではできません、と言われても困るのです。人事制度と経営計画は密接に結びついているのですから。

 御社では「わかっちゃいるけど」、と経営体質を変えようとしない、というようなことはなかったでしょうか。

※今回のレポートは、『まぐまぐプレミアム版』
 実践!経営アップメール・プレミアム【第59号】[2005/02/08]
 に掲載した記事を掲載しました。

(経営コンサルタント 山田勉)

※ここに掲載したレポートは、
メルマガ「実践!経営アップメール」「会社の◆経営体質を診断する!」
配信したものの一部を掲載しています。
レポートの内容は、最初に公開した当時のまま掲載しています。

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 管理者に問題意識が欠けている、というようなことはありませんか

 御社では、管理者に問題意識が欠けている、というようなことはないでしょうか。

 こう質問しても、「いや、十分やってくれているから問題意識にも問題はない」と答えられる方もいるかもしれません。

 しかし、本当に「十分やってくれている」のでしょうか。
 十分にやってくれているのかどうかは、次のように質問すると確認することができます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「あなたの部門の問題点を、問題が大きい方から3つ挙げなさい」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 すぐに回答が返って来ないのであれば「十分やってくれている」とは考えられません。

 回答が返ってこないのは「問題がないからだ」と考えられる方も、中にはいるかもしれません。
 しかし、そのような方は管理者と同様の問題があります。なぜなら、「問題がない」のではなく、「問題があること」に気付かないから「問題がない」と思っているにすぎないからです。
「問題がない」と思うと、問題に取り組む行動は出てきません。その必要性を感じないからです。
 つまり問題意識に問題があると、「十分やっていない」虞が高くなるのです。

 また、次のような回答も問題があります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「売上が目標に達していないこと、
 利益目標に達していないことが問題である」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 これも問題意識が低い状態を示しています。

 では、なぜ「問題意識」が欠けたり弱かったりするのでしょうか。

 この問題については次のように考えられます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「問題とは、
 あるべき姿と現状とのギャップのことである」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 つまり問題意識が出てくるためには、「あるべき姿」が与えられて、「現状認識」ができて、両者のギャップを理解できることが必要なのです。

 問題意識が欠けている人は、次のいずれかに問題があるのです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.あるべき姿が与えられていない
2.現状認識力が弱い
3.あるべき姿が与えられていないし、現状認識力も弱い
4.あるべき姿と現状とのギャップを理解できない
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 管理者としての意識・知識・スキルを与えられていない管理者が「自分には問題がない」と思っているのはこのためです。決してやる気がないのではなく「自分には問題がない」と思っているから現状を変える必要性を認識していないのです。

 次に、管理者研修を受けさせても変らない場合があります。
 オープン型の管理者研修の場合とか、講義中心の管理者研修場合です。

 このような研修は、知識を与えることが中心なので、受講者は「自分の問題」と思うことが少ないのです。つまり「あるべき姿」が与えられても、「自分の現状についての認識」ができないのですから、両者のギャップを認識することができないために「自分に問題がある」とは思うことが少ないのです。 それどころか、次の問題も出てきます。
 人は、「自分の現状についての認識」ができなくても、自分以外の人についての認識は可能です。すると、自分以外の人については「あるべき姿と現状とのギャップ」を理解することはできることになります。その結果、自分自身は改善しないで、人に対してだけ厳しくなる、ということになりかねないのです。

 ですから、研修でも、知識だけを与える研修であれば別ですが、管理者研修や、中堅社員研修、新入社員研修のような階層別研修の場合には「自分の問題と認識させる研修」でなければそれほど効果は期待できないのです。

「我が社の社員が危機感を持っていない」と言われる方がいます。
 この場合もも同じです。これも自社の現状を知らせていないからです。だから危機感が出てこないのです。

 例えば、フォルクスワーゲンアウディ日本(株)の社長にヘッドハンティングされた佐藤満氏が幹部社員にインタビューを行った時の話があります(1994年)。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 社長に就任した佐藤氏は、財務内容を調べてフォルクスワーゲンアウディ 日本が莫大な赤字を抱えていたことを知り、幹部に対してインタビューをしたのです。
 
「昨年の販売台数は? 〜」
 いろいろと聞いていったところ答えられないのです。
 ドイツの本社が教えてくれないというので、「聞いてみたのか」というと幹部から返事がありません。
 佐藤氏は「これではあかん」と、社員を集め、財務内容を公表し、その意味を説明することにしたのです。

 自分達がいくら儲けているのか損しているのか分からない、このような状態ではモチベーションは高まりません。問題意識も生まれません。だからずるずると赤字を垂れ流していたのです。
 業績は自分達の活動の結果です。儲かったのか、損しているのかが分からなければ、会社の業績は経営陣の責任としか考えず、自分達の責任を感じることは難しいのです。財務内容が悪いのであれば、財務内容を公表することで、今までの状態がいかにまずかったのかを認識することになるのです。すると「今のままではあかん、なんとかしよう」と新たな手を打とうという意識も生まれてくるのです。だからこのように損益状況は知らせておくべきものなのです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 次に、「売上が目標に達していないこと、利益目標に達していないことが問題である」のような回答について考えてみましょう。
 このように考えられる方は次のように考えているのでしょう。

「目標が与えられているのは売上と利益だ。
 だから問題は売上が目標に達していないこと、利益目標に達していないことだ」

 この場合は、次のように聞いてみるとよいでしょう。

「では、売上が目標に達していない原因はなんですか。
 利益が目標に達していない原因はどこにあるのですか。」
 
 これに対して回答が出てこなかったら、問題意識に欠けている管理者なのです。

 多くの方は、「売上が目標に達していないこと、利益目標に達していないこと」という回答で「問題意識がある」と思われてしまうのでしょう。しかし、このような意識で何が変るのでしょうか。
 このような発想から出てくるのは「もっと頑張れ」式の叱咤激励くらいなものです。しかし、社員は懸命に努力しているとしたら、さらに努力してもそれほど結果は変らないのです。
 つまり、「売上が目標に達していないこと、利益目標に達していないことは問題である」という意識は必要ですが、それだけでは何も変らない可能性が高いのです。ですから、更に具体的に考える段階まで要求するべきなのです。

 なぜなら、このような思考では、次のような結果になる怖れが高いからです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「目標に行かなかったのだから、仕方ない」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「仕方ない」で済ませるのでは、また同じ事の繰り返しです。このような結果になる考え方を「問題意識がある」とするのは問題があります。

 そこで、問題意識については次のように考えるのが良いでしょう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 問題意識があるというのは、次の段階を経ていることである。
・問題の認識
・原因の把握
・課題の把握
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 つまり、「問題意識がある」と言えるためには、その問題を解決するためには「何が課題なのか」を把握している段階まで達している必要があるということなのです。

「課題」の段階まで考えられれば、「対策」まで考えるようになります。
 考えていなければ「使命感」が不足していると考えられます。

 ちなみに、広辞苑で「問題意識」を引くと次のように定義してあります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「問題意識−
事態・事象についての問題の核心を見抜き、積極的に追究しようとする考え方」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 この定義からしても「問題意識」は「原因の把握」と「課題の把握」が必要である、ということになります。

「売上目標に達していない」というのは問題の核心ではありません。他に問題があるために「目標に達しなかった」のですから。問題ではなく、問題があるために出てきた結果なのです。

 次に、そのような「問題意識」を持たせるためには何が必要かが問題となります。
「問題とは」の定義にあるように、「問題意識」が出てくるために必要なのは、まず「あるべき姿」です。そこで、「あるべき姿」を与える必要があります。

  例えば、管理者であれば、与えるべき「あるべき姿」は次のような内容です。
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  ・管理者とはどのような存在か(経営者との関係)
  ・有効な管理活動とはどのようなものか
  ・リーダーシップを発揮するためには何が必要か
  ・動機付けは、どのような行なうべきか
  ・部下の育成は、どのように行なうべきか
  ・コミュニケーションの取り方とは
  ・組織編成はどのように行なうべきか
  ・組織運営はどのように行なうべきか
  ・効果的な叱リ方・褒め方はどのように行なうべきか 等
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  中堅社員であれば「あるべき姿」は次のような内容です。
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  ・時間管理はどのように行なうべきか
  ・行動計画はどのように立てるべきか
  ・ビジネス・コミュニケーションの取り方
  ・会議への参加はどのように行なうべきか
  ・後輩の指導はどのように行なうべきか
  ・自己啓発はどのように行なうべきか  等
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 これらを与えるためには研修が必要です。

 以上をまとめると次のようになります。
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 問題意識が出てくるためには
 まず、「あるべき姿」を与えることが必要で、
 次に「現状認識」ができ、
 「あるべき姿」と「現状との「ギャップを認識」することが必要である。

 以上を満たすことで初めて「問題意識」が出てくる。
 それらを与えるためには研修が不可欠である。
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 御社では問題意識がない社員が多い、というようなことはなかったでしょうか。特に管理者に問題意識が欠けている、というようなことはなかったでしょうか。

※今回のレポートは、『まぐまぐプレミアム版』
 実践!経営アップメール・プレミアム【第54号】[2004/11/23]
 に掲載した記事を掲載しました。

(経営コンサルタント 山田勉)

※ここに掲載したレポートは、
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レポートの内容は、最初に公開した当時のまま掲載しています。

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