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幹部を選ぶ時に陥りやすい過ちについて 

 人は自分と同じ価値観を持った人間を高く評価する傾向があります。

 人は自分に似た存在に親近感を覚えるからです。
 例えば、同じ学校の出身であるとか、同じ県の出身であるとかが分かると親近感を覚える人が多いのです。
 
 このように人は自分と同じ価値観を持った人間を高く評価する傾向があるのです。もっとも、そのような部下であれば自分の思いも早く理解してくれるというメリットはあります。
 しかし、それが行き過ぎると、自分の周りにイエスマンばかりを集めることになりかねません。
 経済が右肩上がりで、将来が現在の延長線上にあることが予測される時代であれば、同質の幹部ばかりでもそれほど問題は生じないでしょう。場合によってはむしろ好ましいことかもしれません。処理も速くなるからです。

 しかし、景気が低迷しており、先行きが不透明な時代には「同質」の人間ばかりを幹部にしているというのは考えものです。同質の人間ばかりであると、判断が偏っていても気づかない場合もあるからです。判断ミスをしながらそれに
気づかないでどんどん進めてしまって取り返しがつかないところまで行ってしまうおそれもあるのです。

 また、同質の人間ばかりであると発想も限定されます。発想が同じような幹部ばかりなら、幹部がいくら多くても、出てくる解決策は似たようにものになってしまうおそれが高いのです。
 ですから、今の時代には自分の周りには違った価値観を持った人間を置く必要があるのです。

 問題は、その点に気がついて選任の基準を設けたとしても、「幹部を選任した後で気がついてみたら同質の人間を選んでしまっていた」となる傾向がある、ということにあります。
 このようになる傾向が高いのは、
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 基準の当てはめについても、
 自分と同じ価値観を持った人間を高く評価してしまう傾向が出てくる
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からです。

 これを変えるには、部下の見方を変える必要があるのです。
 この点を、名経営者の例をあげながら考えてみましょう。

 名経営者と言われる人は、後継者を選ぶ場合に、自分と違った価値観の人間を選んでいます。

 例えば、松下幸之助さんは山下俊彦さんを大抜擢しましたが、自分と違うタイプだったと言われています。

 GEの会長兼CEOにジャック・ウェルチ氏を指名したレジナルド・ジョーンズ氏もそうでした。
「イギリス生まれのジョーンズは、育ちがよく、会話が巧みで、当時、偉大な財界人だと見られていた。一方、ウェルチは無骨で素っ気なく、負けず嫌いで、議論を好んだ。表面的には、ジョーンズと対極にあるように思えた。」
                       (経営は「実行」)

 ジョーンズ氏がウェルチ氏を選んだのは次の点にありました。
「ジョーンズはGEが変わらなければならないことを認識しており、自分とおなじように聡明で、熱意があり、卓越性を追及するウェルチこそが、その仕事にふさわしい知性と個性を持っていると考えた。」
 
 その後のウェルチ氏の活躍はご存知のとおりです。

 中小企業の場合には、後継者は息子さんになる場合も多いでしょう。
 ですから、中小企業の場合には「同質性の問題」は、どのような幹部を選ぶか、ということになります。
 もちろん、幹部にも経営者の能力が必要なのですから、経営者と同質の部分が必要になります。
 しかし、経営者の器が小さいと、小さい範囲で自分と同質のレベルを判断することになります。
 経営者の器が大きいと、大きな範囲で同質のレベルを考えることになります。

 同質のレベルを大きな範囲で考えるためには次の点を留意することが必要です。
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□部下の良いところに目を向けているか
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 部下の良いところに目を向けろといっても、常に意識的に行うことは難しいものです。常に部下の良いところが見えるようにするには根底の考え方を修正することです。
 すなわち、部下の良いところに目を向けることができるためには、まず
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「人は自分とは考え方が違うものである」
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ということを明確に理解することです。

 考え方が違うのは価値観が違うからです。
 価値観が違うのは、それぞれの人生が違うからです。
 価値観は考える基盤です。
 違う価値観からは異なった考え方が出てくるのです。
 人と自分の考え方が違うのは当然なのです。

 だから部下を理解するためには、部下の人生もある程度知っておく必要があります。特に知る必要があるのは、部下の価値観の形成に影響したと思える出来事についてです。
 部下の人生を知ると、部下のことも理解できるようになります。自分と考えが違っても受け入れることが自然とできるようになるのです。

 その上で、次の点を考えることです。
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・「熱意」が一番で、次に「人柄(考え方)」、
 そして「能力・頭の良さ」の順番で考える
・但し、能力は一定レベル以上あるのが前提である
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 価値観の点は、「人柄(考え方)」の部分に一番大きく関係します。
「人柄・考え方」を重視するのは、会社が向いている方向を向いてもらう必要があるからです。企業は一丸となる必要があるのです。
 但し、この「考え方」については、今回指摘したように、重要な部分についてのみ問題とするべきなのです。

 その上で能力については次の点を考えることです。

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□我が社では何が重要な課題か、自分の部門では何が重要な課題か
□その部下は重要な課題を解決する能力を持っているのかどうか
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 御社では、幹部の選び方について問題はなかったでしょうか?

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参考資料:レジナルド・ジョーンズとジャックウェルチについて
    ・経営は「実行」
     ラリー・ボシディ/ラム・チャラン 著  日本経済新聞社

※今回のレポートは、『まぐまぐプレミアム版』
 実践!経営アップメール・プレミアム【第17号】[2003/05/13]
 に掲載した記事を掲載しました。

(経営コンサルタント 山田勉)

※ここに掲載したレポートは、
メルマガ「実践!経営アップメール」「会社の◆経営体質を診断する!」
配信したものの一部を掲載しています。
レポートの内容は、最初に公開した当時のまま掲載しています。

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