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売上を上げる為の資料が不充分である、というような〜

 ある会社で社長さんと営業の課題を検討していた時のことです。
「顧客管理カードをつけるように、といっていたのが、ようやく付けるように
なりました。」 といって社長さんが顧客管理カードを持ってこられたのです。

 その業界は、古い体質の業界で、お客様がその市場に買いに来てくれるのです。社員は来てくれたお客様に応対するのが営業であると思っていたのでした。
「売れる仕組みができている古い業界」では、経営戦略を変更しなくても売上が順調に上がっている企業が、今までは多かったのです。
 ですから、その会社の営業マンは、営業マン教育も管理者教育も受けたことがなかったのです。

 このような状態ですと、社長が叱咤激励しても、管理者としての意識や営業についての考え方が違っているのですからなかなか指示されたことを実行しようとしませんし、その結果として新たな成果は出てこなかったのです。顧客管理カードもつけるようにと繰り返し指示しても、なかなか出来上がってこなかったのです。出来上がってこなかったのは、営業マンがその必要性を感じていなかったからです。それでも社長が繰り返し言い続けたためか、ようやく顧客管理カードが書かれるようになってきたのです。そのような経過を経て作られた顧客管理カードを見せられたのです。

 それは顧客別に、どのような商品をどの程度の単価で、どの位の量を納品しているかを整理したカードでした。

 そのカードを見て、気づくところがあり、念のためにいくつか確認の質問をした上で問題点を指摘したのです。

「これでは使えません」

 そのような顧客管理カードは営業マンの引き継ぎには役立つでしょう。どのような商品がいくらでどの程度納品されているのかがわかるのですから。ですから売上の現状維持には役立つでしょう。しかし、今以上に売上を上げる役には立たないのです。

 今の時代は、売上に関する資料をコンピュータで作成されるようになっています。資料は多く作成されるようになっているのです。しかし、営業の改善のコンサルティングを行っている時に、改善のために現状を押さえようとして必要な資料の提出を求めると、「その資料は作成していません」と言われる場合が多いのです。
 これは無理もないことではあります。そのような資料が必要であるとはそれまで思わなかったのですから。そのような資料を使って戦略を立てようとは思わなかったのですから。必要と思っていないデータが作られるわけはないのです。
 しかも、現在作成しているデータから必要な資料を作ることができない場合も多いのです。

 ではコンピュータで集計を取っているのになぜ必要なデータが作れないのでしょうか。
 この問題をPOSシステムで考えてみましょう。この問題はPOSシステムも同じだからで、しかもPOSであると分かりやすいからです。

 POS(point of sales system) は販売時点情報管理システムと訳されており、小売店の店頭で販売時点に発生する商品コード、数量等の各種データを機
械的に捕捉し管理するシステムのことです。例えば、商品にバーコードを付けて、レジで商品につけられたバーコードをスキャナーで読み取るシステムです。スーパーでよく見かけるシステムです。POSシステムは、小売店ではほとんど導入されているのではないかと思われます。

 では、POSでは何がわかるのでしょうか。
 売れる商品と売れない商品でしょうか。
 
 確かに業績を上げるためには回転率を上げ、デッドストックをなくすことが重要です。そのために売れ筋商品を増やし、売れない商品を減らすことは重要なことです。

 しかし、その判断をPOSのデータだけで判断して良いのでしょうか?
 POSで本当に売れ筋商品が分かるのでしょうか?

 実は、POSで分かるのは次の現状なのです。

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「現在扱っている商品の中で、何が売れて、何が売れなかったのか」
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 POSシステムは「現在扱っていない商品」については分析ができないのです。
 POSが導入された当初はこの点に気がつかないで、POS導入により業績に悪影響を及ぼした小売店も多かったものと思われます。POSデータにより上位商品を中心に品揃えをすると、しばらくは良いとしても、徐々に売上が落ち始めるのです。なぜなら、「POSで分析できない、より新しい商品」が売れ筋になっていくことで、それまでの売れ筋商品の売上が落ちてくるからで
す。

 ですから、小売店は常に商品を入れ替えて売れ筋商品をそろえるようにする必要があるのです。「セブンイレブンでは新商品で売れなかったものは1週間で店頭からなくなり、新しい商品と代わる」と言われているのは、扱っていない商品はPOSでは分析できないことを知っているからです。

 先の会社のように卸の会社でも同じなのです。自社が納入している商品のデータだけでは役に立たないのです。競合先が納入していて自社が納入できていない商品のデータこそが重要なのです。その商品こそが自社の売上を伸ばす商品なのですから。

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□「競合先が納入していて自社が納入できていない商品」を明確にし、
□未納入商品を納入する目標を設定し、
□販売活動を展開させるのです。
□この方法は、新規開拓でも同じです。
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 今まで納入されていなかった商品が納入されるようになることで、売上を飛躍的に伸ばすことも可能になるのです。
 このような展開を可能にする為にも、顧客管理カードには「競合先が納入していて自社が納入できていない商品」を書かせることが必要なのです。

 このことは、「顧客管理」では「営業戦略・戦術」策定に必要なデータが収集・管理されるようにする必要がある、ということです。
 また、経営環境の変化を把握できるデータも収集し、先々の自社の売上に対する影響を考えることも必要です。

 御社の顧客管理システムは適切なデータを管理するようになっていますか?
 これを機会に一度チェックしてみましょう。

※今回のレポートは、『まぐまぐプレミアム版』
 実践!経営アップメール・プレミアム【第23号】[2003/08/12]
 に掲載した記事を掲載しました。

(経営コンサルタント 山田勉)

※ここに掲載したレポートは、
メルマガ「実践!経営アップメール」「会社の◆経営体質を診断する!」
配信したものの一部を掲載しています。
レポートの内容は、最初に公開した当時のまま掲載しています。

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