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御社にとって重要な方針を変更している、というようなことはありませんか?

 御社では、会社の基本的な方針を時々変更している、というようなことはないでしょうか?

 中には次のように考えておられる方もいるでしょう。
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・経営環境に合わせて戦略を変更していく必要がある。
 今は経営環境が激変している時代である。
 だから方針はよく変更している。
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 いわゆる「朝令暮改」についてどのように考えるかという問題ですが、これについては以前述べたように「事情変更の原則」(根拠は民法第1条第2項−注)と同じように考えられます。

 つまり、ある決定をしたのはその決定をした時の経営環境があったからです。
決定をした後で経営環境が変われば以前の経営環境の元で行った決定は意味がないものになるのです。当然変更するべきなのです。

 しかし、次の場合には、あなたはどのように考えられるでしょうか。
━【問題】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・長野県の中央タクシーは、市内のタクシー会社では最後発でした。
 中央タクシーでは後発のため次のような戦略を考えました。

「タクシーと言えば、挨拶もなし、愛想もなしが常識だった。
 だからこそ、本気で顧客を大切にする気持ちで接すれば、必ず常連客がつく。」

 そのため、運転士は真夏でもネクタイを着用し、客の乗車時や降車時には車から降りてドアを開閉するようにし、お客が乗車すると運転手は自己紹介をしています。(まるでMKタクシーのようです)
 この指示に従う運転手が多数派になるのに5年かかったのですが、実行する運転手が多数派になると、狙いどおりに電話注文の個人客が増え始めたのです。

 その後、長野でオリンピックが開催されることになります。
 世界中から報道機関がやってきます。オリンピックの期間中、報道機関はタクシー会社とチャーター契約(その期間、借りる契約)を結ぶのです。実入りが多いので他のタクシー会社はチャーター契約を結びました。

 チャーター契約をすれば実入りが多くなります。しかし、そのためには今まで重視してきた個人客に不便をかけることになります。
 もし、あなたが中央タクシーの経営者だとしたら、チャーター契約を結ぶでしょうか?
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※少し考えてから先を読みましょう。

 さて、あなたはどのように考えられたでしょうか?
 あなたであれば重要な方針を優先させたでしょうか、それともチャーター契約を結んだでしょうか?

 中央タクシーでは「地元の顧客を優先する」という理由で、チャーターを最小限にとどめ、高齢者や女性を中心とする常連客、一般客の注文に応じました。
 その結果、オリンピック期間中はチャーター契約を多く結んだ他社に大きく遅れをとることになりました。しかし、オリンピックが終わると、個人客を優先した中央タクシーは電話注文が売上の8割になるまで増え、一気に地域トッ
プになったのです。

 この問題は戦略の問題でもあります。
 短期的な利益ではなく、中長期に渡って利益を考える必要があるということです。「重要な方針」のためには、一時的に得られる「売上・利益」も犠牲にする必要がある、ということなのです。

 中央タクシーでは、「短期的な利益よりも、自社が重要にしている戦略を維持・徹底したことにより成功した」といえるでしょう。

 この点はヤマト運輸も同じでした。
 ヤマト運輸が宅急便のサービスを始める時に小倉昌男氏は3つの経営目標を立てたのです。
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第1がダントツサービス
第2が社員のゆとりある生活
第3が安定した利益を稼ぐこと
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 最初の10年はダントツサービスの実行しか小倉氏は言わなかったのです。 いいサービス、社員のゆとり、安定した利益の確保のそれぞれは相反する要素を含むからです。「利益よりもサービスが先。利益は後から付いて来る。」
ということでしょう。ヤマト運輸の成功は利益よりも戦略である「サービス」を重視したからであると考えられるのです。

 戦略の前提として、経営理念も考えておく必要があります。
 そのためには次のことを検討する必要があります。
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□何のために事業をやっているのか、を充分に考える
□その事業を通じて世の中にどんな貢献をするのかを考える
□そのためにどのような商品を扱うのかを考える
□得意先に対する考え方をどのようにするかを考える
□地域社会に対してはどのように貢献するかを考える
□文章化して経営理念とする
□「経営理念を実現し、存続・発展する為」に戦略を構築する
□経営戦略は経営理念と反するものであってはならない
□戦略では中長期に渡って利益を考える必要がある
□「重要な方針」の実現のためには、
  一時的に得られる「売上・利益」も犠牲にする必要がある、
□戦略は経営計画に落とし込む
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 御社では基本的な方針は一貫して守り続けてこられたでしょうか?

注)民法第1条第2項は「権利ノ行使及ビ義務ノ履行」につき、「信義ニ従ヒ誠実ニ之ヲ為スコト」を要求しており、信義誠実の原則を認めたものとされています。
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参考資料:中央タクシーについて
     日経ベンチャー 2003年7月号
     ヤマト運輸について 社長大学講座 日経BP社

※長野県の中央タクシーは
 後発ながら長野県内トップの売上を上げるまでになった会社です。
※今回のレポートは、『まぐまぐプレミアム版』
 実践!経営アップメール・プレミアム【第27号】[2003/08/12]
 に掲載した記事を掲載しました。

(経営コンサルタント 山田勉)

※ここに掲載したレポートは、
メルマガ「実践!経営アップメール」「会社の◆経営体質を診断する!」
配信したものの一部を掲載しています。
レポートの内容は、最初に公開した当時のまま掲載しています。

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