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間違った判断をしないために重要なこととは

 御社では、判断する場合に間違った判断をしている場合が多いというようなことはないでしょうか。

 このような質問をした場合に、「うちではそのようなことはない」と回答される場合が多いものと思われます。しかし、「ない」というのは実は2つに分かれるのです。
 一つは、問題解決力が高いことから、実際に間違った判断が少ない場合です。
 もう一つは、間違った判断をしていることに気づかないで「ない」と回答されている場合です。

 先週弊社のeラーニングを受講された受講生の感想から、この問題に関するものの一部を掲載してみましょう。

[感想]
自分の考え方に偏りや、偏見、思い込みが強く、冷静に分析できない点も気が付かないだけで、多いのではないかと感じた。それが販促や指示の仕方にでもでていたのではないかと思います。今後常に5w2hを意識した考え方で理論的に考えていこうと思いました。

[感想]
自分には根拠のない自信というかプライドがあり、判断があやまっていることを認めようとしない悪い部分があると思っていましたが、先入観が強く、掘り下げて原因をさぐることをおこたっていたんだと感じました。

[感想]
先入観を持たず、客観的に物事を判断しているつもりだが、自分の意識しない部分で、先入観が働いているようです。
問題を解決するために5W1Hの考え方を使用しますが、先入観を持たず対処しようと思いました。

[感想]
今まで問題点(事実)を検討するする中で先入観より問題解決を図っており的を得ていなく空回りをしてきた所があります。第4課にて研修をうけた『事実を把握するには』の項目を良く理解し今まで色々と苦戦している問題点について1度先入感を捨てて事実を素直に見ていくことで1からやり直そうと思っています。

 管理者研修で与えなければならない能力の一つに問題解決力があります。
 その問題解決力で一番重要なのは、「問題認識力」です。なぜなら、いかに問題解決力が優れていたとしても、問題のとらえ方・事実のとらえ方を間違っていたのでは、解決できるものも解決できなくなってしまうからです。

 実は、この問題のとらえ方・事実のとらえ方が間違っている方が多いのです。
弊社の管理者研修を受講された方で、多くの方が上記のような感想を書かれます。間違った事実認識に基づいて判断が行われている場合がいかに多いか、ということです。

 このような事実の認識の仕方、判断の仕方については、多くの管理者研修でも教えているところは少ないのです(ないのかも)。知識・スキルを与えることが管理者研修であると誤解されている方が多いからです。

 さて、事実認識で間違わないためには多くのチェックポイントがあります。
 ここでは、重要な点を1つ指摘しておきましょう。

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 事実を判断する時は、先入観を持たないで判断する
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 多くの方は先入観で判断する場合が多いのです。これが判断を間違えさせるのです。研究等をやられている方は次のように思われる方も多いであろうと推測されます。

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 物事を判断する場合には、仮説を立てることが重要である。
 仮説を立てなければ、調べる範囲があまりにも膨大になるから。
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 このように考える方には次の事実を指摘しておきましょう。

 戦前の裁判では「誤判」が非常に多かったのです。誤判の原因は裁判運営の仕方にありました。
 裁判は、被告、裁判官、検察官の3者の出席により行われ、検察官は「被告が罪を犯した」として裁判官に訴えるわけです。戦前はこの検察官の起訴により、検察官の「被告が罪を犯したという嫌疑」を裁判官が引き継いだのです。そして裁判官は証拠により判断していったのです(職権主義・糾問主義)。
 つまり戦前は、裁判官は「この被告人は罪を犯しているのではないか」という予断を持って裁判をしていたのです。これが多くの誤判につながったのです。

 そこで、戦後の刑事訴訟法では、裁判官が「予断」を持たないように制度化されたのです。刑事訴訟法第256条第6項「起訴状一本主義」が、この「予断排除の法則」を規定したものとされています。

 刑事訴訟法第256条第6項「起訴状一本主義」
 起訴状には、裁判官に事件につき予断を生ぜしめる虞のある書類その他の物を添付し、又はその内容を引用してはならない。

 訴追は検察官の一方的な主張であり、裁判官は「嫌疑」を引き継がず、「白紙」の状態で公判に臨むことになったのです。真実は、検察官、被告人の双方から主張をさせることにより自ずと明らかになる、という考え方です(当事者主義・弾劾主義)。

 もちろん、このやり方にも問題はあります。被告人が有罪になるか無罪になるかは弁護人の力量によることになります。裁判がスポーツ化するという批判もあります。
 しかし、それでも「予断」を排除し、当事者主義を採ることが、誤判をなくするためには有効だとされたのです。

「十人の罪人を逃しても一人の無辜(むこ−無実の人)を処罰することなかれ」

 これが新刑事訴訟法の考え方なのです。

 もちろん、物事を判断する場合には、仮説を立てることは有効です。
 しかし、その仮説にとらわれないことが重要なのです。とらわれると間違った判断をしてしまいかねないのです。先入観を持たないことが必要なのです。

 先入観の中で気を付けないといけないことが「当たり前」という思考です。
「当たり前だ」と思っている事項に落とし穴があるのです。「当たり前」という考え方は「思考停止」の原因になるからです。

 一つ事例を挙げておきましょう。
 お菓子のパイを梱包するには、数時間冷ましてから行うのが業界の常識でした。
 そのために、
 お菓子のパイを作る際にはパイを乗せるトレイが数多く必要だったのです。
 ある時、コンサルタントがあまりにもトレイが数多く重なっているので聞いてみると次のような答えが返ってきたのです。

「パイは焼いた後、3時間くらいは冷やさないとパッキングできないんです」

 コンサルタントは次のように聞きました。
「なんで3時間なの?」

 職人はその理由を明確には答えられなかったので、試しに焼き上がってから数分で梱包してみたのです。すると、長時間置くよりもサクサクと歯触りの良いパイが出来ることが分かったのです。
 この結果、パイを乗せるトレイも3分の1ほどに減らすことが出来たのです。

「当たり前」という意識は「思考停止」の原因になるのです。
 このような例は、職場でも多いのではないかと考えられます。

 物事を判断する際は、「先入観を持たない」こと、
 特に「当たり前」という思考には注意をするということです。

 御社の社員の判断力はいかがだったでしょうか。

※今回のレポートは、『まぐまぐプレミアム版』
 実践!経営アップメール・プレミアム【第46号】[2004/07/27]
 に掲載した記事を掲載しました。

(経営コンサルタント 山田勉)

※ここに掲載したレポートは、
メルマガ「実践!経営アップメール」「会社の◆経営体質を診断する!」
配信したものの一部を掲載しています。
レポートの内容は、最初に公開した当時のまま掲載しています。

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