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新しいタイプの競合商品が出てきた時に間違った対応をしているということはなかったでしょうか

 新しいタイプの競合商品が出てきた時に、御社ではどのように対応しているでしょうか。
 この問題をケースで考えてみましょう。

━━ 【ケース】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 A社はある業界で、市場の70%を支配していました。その業界ではある
部門が市場の75%を占めており、その重要な部門でA社は90%以上とい
う市場シェアを持っていたのでした。
 ところが、ある時、耐久性のある材料で作られた製品が出てきたのです。
 従来の素材では平均3.5回しか使用できなかったのに対して、新しい素
材による製品は15回以上も使えることさえあったのです。

 この新しい素材で生産することについては次の懸念材料がありました。
 ===================================================================
1.その時点では、新素材で大量生産すると不良品発生率が高くなる
2.新素材による製品を高く設定したとしても、使用1回あたりの支出を減
  らすので利益を減少させてしまう
3.高い利益のある現在の主力商品が食われて売上が減少してしまう
 ===================================================================

(1)さて、あなただったら、次のうち、どれを選択されるでしょうか?
ア)新素材による生産を決定する
イ)しばらく様子を見る
ウ)従来の素材による生産を続ける

(2)次に、もし、新素材の持つ利点を最も良く発揮できる生産技術−他社
と明らかに差別化できる程度−が考えられるとして、半年後にその技術が完
成すると考えられる場合はどうでしょうか?

ア)今の技術で新素材による生産を決定する
イ)新技術が完成するのを待つ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━【ケース】━━

 いわゆる「カニバリゼーション(共食い現象)」の問題です。
 
 このケースでは、A社は圧倒的な市場シェアを持っていました。A社とは、アメリカのジレット社のことで、カミソリ刃の製造・販売を行っている会社です。
 ジレット社は薄い替え刃式の安全カミソリを発明しました。第一次大戦と第二次大戦で、そのカミソリが軍隊で支給され、自分のひげを自分で剃るという習慣が定着し、ジレット社は圧倒的なシェアを持つことになったのです。
 新素材とはステンレス刃のことで、従来は炭素刃が使用されていたのです。

(1)について
 さて、あなたはイかウを選ばなかったでしょうか。

 ジレット社はイを選択しました。ようやくステンレス刃の販売を始めたのは、他社が販売し始めてから半年経った1963年の秋の事でした。その結果、ジレット社は大きな損失を被ったのです。
 1963年と64年には利益が大幅に減少したのです。
 それどころか、市場シェアを落としてしまったのです。

 (水を使った)湿式のかみそり市場では70%から55%に低下し、 市場の75%を占める「両刃かみそりの市場」では90%から70%に落ちてしまったのです。

 失った顧客を取り戻すのは容易ではないのです。ジレット社はステンレス刃の生産・販売に取り組むのを躊躇した為に、大きな損失を被ったのです。

 このような場合、市場の切り分けで、別々の市場用として販売できれば問題はなくなります。
 しかし、それができないのであれば、競合他社に浸食されるぐらいなら、自社の製品を自社で置き換えた方が良いのです。

 また、自社商品が競合する場合には製品ラインの整理・統廃合も必要だということも付け加えておきます。

(2)について
「もし、新素材の持つ利点を最も良く発揮できる生産技術−他社と明らかに差別化できる程度−が考えられるとして、半年後にその技術が完成すると考えられる場合」
 これについては実際のケースがあります。

 カップラーメンは1993年に「生タイプラーメン」の競争となりました。
 その時、「夜食亭」が先行発売され、売れていたのです。しかし、日清食品は「生タイプラーメン」をすぐには出しませんでした。先発商品には欠点があり、その欠点を克服する商品を開発してから一気に巻き返しを図る予定だったからです。
 先発商品の欠点とは、麺に「コシ」がないことでした。日清食品は堅い麺を真ん中にして別の麺で挟む等の工夫を凝らしてから生タイプラーメン「ラ王」を発売したのでした。その結果、生タイプラーメンで一気にトップシェアを取ることになったのです。

 明らかに差別化できる技術が完成できるのであれば、少し発売を遅らせても取り戻せるということです。
 今までの話は、消耗品の商品に当てはまる話です。

 以上からすると、次のようになります。
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 自社の商品を置き換えるような新しいタイプの競合商品が出てきた時は、
 競合他社に浸食されるぐらいなら、自社の製品を自社で置き換えた方が良
いので、早く生産・販売を開始する。
 ただし、もし、新素材の持つ利点を最も良く発揮できる生産技術−他社と
明らかに差別化できる程度−が考えられるとして、半年後にその技術が完成
すると考えられる場合は、その完成を待って一気に巻き返しを図る。
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参考資料:ジレット社のケースについて
  「マーケティング・ミスティクス」 R・F・ハートレイ

※今回のレポートは、『まぐまぐプレミアム版』
 実践!経営アップメール・プレミアム【第52号】[2004/10/26]
 に掲載した記事を掲載しました。

(経営コンサルタント 山田勉)

※ここに掲載したレポートは、
メルマガ「実践!経営アップメール」「会社の◆経営体質を診断する!」
配信したものの一部を掲載しています。
レポートの内容は、最初に公開した当時のまま掲載しています。

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