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管理者に問題意識が欠けている、というようなことはありませんか

 御社では、管理者に問題意識が欠けている、というようなことはないでしょうか。

 こう質問しても、「いや、十分やってくれているから問題意識にも問題はない」と答えられる方もいるかもしれません。

 しかし、本当に「十分やってくれている」のでしょうか。
 十分にやってくれているのかどうかは、次のように質問すると確認することができます。

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「あなたの部門の問題点を、問題が大きい方から3つ挙げなさい」
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 すぐに回答が返って来ないのであれば「十分やってくれている」とは考えられません。

 回答が返ってこないのは「問題がないからだ」と考えられる方も、中にはいるかもしれません。
 しかし、そのような方は管理者と同様の問題があります。なぜなら、「問題がない」のではなく、「問題があること」に気付かないから「問題がない」と思っているにすぎないからです。
「問題がない」と思うと、問題に取り組む行動は出てきません。その必要性を感じないからです。
 つまり問題意識に問題があると、「十分やっていない」虞が高くなるのです。

 また、次のような回答も問題があります。
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「売上が目標に達していないこと、
 利益目標に達していないことが問題である」
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 これも問題意識が低い状態を示しています。

 では、なぜ「問題意識」が欠けたり弱かったりするのでしょうか。

 この問題については次のように考えられます。
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「問題とは、
 あるべき姿と現状とのギャップのことである」
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 つまり問題意識が出てくるためには、「あるべき姿」が与えられて、「現状認識」ができて、両者のギャップを理解できることが必要なのです。

 問題意識が欠けている人は、次のいずれかに問題があるのです。
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1.あるべき姿が与えられていない
2.現状認識力が弱い
3.あるべき姿が与えられていないし、現状認識力も弱い
4.あるべき姿と現状とのギャップを理解できない
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 管理者としての意識・知識・スキルを与えられていない管理者が「自分には問題がない」と思っているのはこのためです。決してやる気がないのではなく「自分には問題がない」と思っているから現状を変える必要性を認識していないのです。

 次に、管理者研修を受けさせても変らない場合があります。
 オープン型の管理者研修の場合とか、講義中心の管理者研修場合です。

 このような研修は、知識を与えることが中心なので、受講者は「自分の問題」と思うことが少ないのです。つまり「あるべき姿」が与えられても、「自分の現状についての認識」ができないのですから、両者のギャップを認識することができないために「自分に問題がある」とは思うことが少ないのです。 それどころか、次の問題も出てきます。
 人は、「自分の現状についての認識」ができなくても、自分以外の人についての認識は可能です。すると、自分以外の人については「あるべき姿と現状とのギャップ」を理解することはできることになります。その結果、自分自身は改善しないで、人に対してだけ厳しくなる、ということになりかねないのです。

 ですから、研修でも、知識だけを与える研修であれば別ですが、管理者研修や、中堅社員研修、新入社員研修のような階層別研修の場合には「自分の問題と認識させる研修」でなければそれほど効果は期待できないのです。

「我が社の社員が危機感を持っていない」と言われる方がいます。
 この場合もも同じです。これも自社の現状を知らせていないからです。だから危機感が出てこないのです。

 例えば、フォルクスワーゲンアウディ日本(株)の社長にヘッドハンティングされた佐藤満氏が幹部社員にインタビューを行った時の話があります(1994年)。
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 社長に就任した佐藤氏は、財務内容を調べてフォルクスワーゲンアウディ 日本が莫大な赤字を抱えていたことを知り、幹部に対してインタビューをしたのです。
 
「昨年の販売台数は? 〜」
 いろいろと聞いていったところ答えられないのです。
 ドイツの本社が教えてくれないというので、「聞いてみたのか」というと幹部から返事がありません。
 佐藤氏は「これではあかん」と、社員を集め、財務内容を公表し、その意味を説明することにしたのです。

 自分達がいくら儲けているのか損しているのか分からない、このような状態ではモチベーションは高まりません。問題意識も生まれません。だからずるずると赤字を垂れ流していたのです。
 業績は自分達の活動の結果です。儲かったのか、損しているのかが分からなければ、会社の業績は経営陣の責任としか考えず、自分達の責任を感じることは難しいのです。財務内容が悪いのであれば、財務内容を公表することで、今までの状態がいかにまずかったのかを認識することになるのです。すると「今のままではあかん、なんとかしよう」と新たな手を打とうという意識も生まれてくるのです。だからこのように損益状況は知らせておくべきものなのです。
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 次に、「売上が目標に達していないこと、利益目標に達していないことが問題である」のような回答について考えてみましょう。
 このように考えられる方は次のように考えているのでしょう。

「目標が与えられているのは売上と利益だ。
 だから問題は売上が目標に達していないこと、利益目標に達していないことだ」

 この場合は、次のように聞いてみるとよいでしょう。

「では、売上が目標に達していない原因はなんですか。
 利益が目標に達していない原因はどこにあるのですか。」
 
 これに対して回答が出てこなかったら、問題意識に欠けている管理者なのです。

 多くの方は、「売上が目標に達していないこと、利益目標に達していないこと」という回答で「問題意識がある」と思われてしまうのでしょう。しかし、このような意識で何が変るのでしょうか。
 このような発想から出てくるのは「もっと頑張れ」式の叱咤激励くらいなものです。しかし、社員は懸命に努力しているとしたら、さらに努力してもそれほど結果は変らないのです。
 つまり、「売上が目標に達していないこと、利益目標に達していないことは問題である」という意識は必要ですが、それだけでは何も変らない可能性が高いのです。ですから、更に具体的に考える段階まで要求するべきなのです。

 なぜなら、このような思考では、次のような結果になる怖れが高いからです。

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「目標に行かなかったのだから、仕方ない」
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「仕方ない」で済ませるのでは、また同じ事の繰り返しです。このような結果になる考え方を「問題意識がある」とするのは問題があります。

 そこで、問題意識については次のように考えるのが良いでしょう。

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 問題意識があるというのは、次の段階を経ていることである。
・問題の認識
・原因の把握
・課題の把握
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 つまり、「問題意識がある」と言えるためには、その問題を解決するためには「何が課題なのか」を把握している段階まで達している必要があるということなのです。

「課題」の段階まで考えられれば、「対策」まで考えるようになります。
 考えていなければ「使命感」が不足していると考えられます。

 ちなみに、広辞苑で「問題意識」を引くと次のように定義してあります。
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「問題意識−
事態・事象についての問題の核心を見抜き、積極的に追究しようとする考え方」
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 この定義からしても「問題意識」は「原因の把握」と「課題の把握」が必要である、ということになります。

「売上目標に達していない」というのは問題の核心ではありません。他に問題があるために「目標に達しなかった」のですから。問題ではなく、問題があるために出てきた結果なのです。

 次に、そのような「問題意識」を持たせるためには何が必要かが問題となります。
「問題とは」の定義にあるように、「問題意識」が出てくるために必要なのは、まず「あるべき姿」です。そこで、「あるべき姿」を与える必要があります。

  例えば、管理者であれば、与えるべき「あるべき姿」は次のような内容です。
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  ・管理者とはどのような存在か(経営者との関係)
  ・有効な管理活動とはどのようなものか
  ・リーダーシップを発揮するためには何が必要か
  ・動機付けは、どのような行なうべきか
  ・部下の育成は、どのように行なうべきか
  ・コミュニケーションの取り方とは
  ・組織編成はどのように行なうべきか
  ・組織運営はどのように行なうべきか
  ・効果的な叱リ方・褒め方はどのように行なうべきか 等
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  中堅社員であれば「あるべき姿」は次のような内容です。
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  ・時間管理はどのように行なうべきか
  ・行動計画はどのように立てるべきか
  ・ビジネス・コミュニケーションの取り方
  ・会議への参加はどのように行なうべきか
  ・後輩の指導はどのように行なうべきか
  ・自己啓発はどのように行なうべきか  等
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 これらを与えるためには研修が必要です。

 以上をまとめると次のようになります。
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 問題意識が出てくるためには
 まず、「あるべき姿」を与えることが必要で、
 次に「現状認識」ができ、
 「あるべき姿」と「現状との「ギャップを認識」することが必要である。

 以上を満たすことで初めて「問題意識」が出てくる。
 それらを与えるためには研修が不可欠である。
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 御社では問題意識がない社員が多い、というようなことはなかったでしょうか。特に管理者に問題意識が欠けている、というようなことはなかったでしょうか。

※今回のレポートは、『まぐまぐプレミアム版』
 実践!経営アップメール・プレミアム【第54号】[2004/11/23]
 に掲載した記事を掲載しました。

(経営コンサルタント 山田勉)

※ここに掲載したレポートは、
メルマガ「実践!経営アップメール」「会社の◆経営体質を診断する!」
配信したものの一部を掲載しています。
レポートの内容は、最初に公開した当時のまま掲載しています。

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