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289.中小企業が業績を上げる為の市場戦略とは

 発展するために有効なのは、ある分野で一番になることと、伸びている分野に関わることです。

 伸びている分野に関わると、そうでない分野に関わるよりも伸びるのは容易なのです。

 例えば、液晶テレビが売れれば、液晶テレビのディスプレイを製造しているメーカーには注文が多くなります。液晶ディスプレスの関連部品メーカーの売上も増えるようになります。つまり「伸びている分野」は需要が増えるので売れるようになるのです。

 また、特定の分野で一番になることは、販売・利益率ともに有利になります。
 これは次の事情によります。

 景気が悪くなりますと、まず取引が少ない所から切られます。その上で徐々に取引の大きい企業への発注量が減ってくるのです。
 逆に景気が回復に向かうようになりますと、まず従来の大口取引先から取引量を拡大していき、ある数量になったところで取引の少ない企業への発注が始まるのです。
 ですから、不況・好況のサイクルを繰り返す度に大きな企業はますます大きくなるし、小さい企業と格差がどんどん開いてくる、ということになるのです。
 
 また、一番企業には問い合わせが多くなります。
 この理由は、「食堂にはなぜランチがあるのか」を考えると理解できます。
 「食堂にランチがあるのは、選ぶのが面倒な人が多い」からです。ランチとして設定しておくと、そのメニューが良く売れるのです。
 一番企業を選ぶというのも、次のように「簡単に良いものを選ぼうとする心理」が働くのです。
 多くの商品の中から選ぶのに資料を検討してからというのでは時間もかかってしまいます。一番になっているというのは、良いから一番なのだろうと思う人が多いのです。実際は、「良い商品」ことよりも「売り方がうまい商品」が売れるのですが、「良いから一番になっているのだろう」と思う人が多いので、一番となっている商品は、一番であるがゆえに更に売れるようになるのです。
 行列の出来るラーメン屋では、最初はサクラを使って行列を作ったという店もあると言われています。日本人はブームに弱いから、尚のことこの効果が出やすいのです。

 一番は売るのに相対的にコストがかからないようになるので、利益率も高くなるのです。

 しかし、競争が同じ土俵で続くような場合には、後発ではなかなか一番を取る事は難しくなります。そこでどうするかですが、考えられるのが、「ニッチ戦略」です。

 市場・用途を限定すれば、その市場・用途で一番を取る事が可能となるのです。
 
 この「ニッチ戦略」で成功したのが、松下電器産業の「モバイルノート」「レッツノート」です。
 少し解説しましょう
 松下電器は1964年にコンピューター事業から撤退しましたが、83年にIBMブランドのパソコンをOEM生産することで、コンピュータ事業に再参入しました。
 しかし、90年代半ばから独自ブランドのパソコンを出しましたが思うようには販売が伸びなかったのです。95年にはレッツノートの前身となる製品を出すも、ヒットしなかったのです。

 2001年にはAV(音響・映像)機能を強化したAVパソコンが人気になっていたので、松下でもAVパソコンの専門部隊を設立しますが、これも失敗したのです。

 そこで考えたのが「ニッチ戦略」でした。「仕事に使うモバイルノート」という分野に絞ることにしたのです。そのために、「軽さとバッテリーの駆動時間に開発の重点を絞った」のです。流行・規模は追わないで収益性を改善することにしたのです。
 その結果、2002年にR1シリーズを発売します。重さ960gで世界最軽量、バッテリー駆動時間は6時間となりました。
 このニッチ市場向け商品を販売する為に、営業のやり方も変えました。
 今までは営業マンが会社を訪問して契約を取っていたのですが、それを電話営業中心の体制に切り替えたのです。「脈あり」と判断したら営業に引き継いで営業が訪問するのです。
 
 この結果、モバイルノートの国内市場規模は約150万台(2004年度−松下予測)と言われる中で、松下のレッツノートは約30万台で2割を占めるようになったのです。松下のレッツノート事業は高収益体質に変わったのです。

 この松下電器産業のレッツノートのように、ニッチ市場なら一番も可能なのです。一番なら利益も確保できるようになるのです。

 但し注意しなければならないのは、そのニッチ市場の規模です。
 小さすぎると、利益が出なくなります。
 例えば、松下電器の例でも1990年代の後半には「ファンの声を重視してカメラやPHPを内蔵」したユニークな商品を出し、一部のファンには支持されたのですが、顧客層が広がらずに赤字が続いていたのです。

 また、逆にニッチ市場が大きすぎると、大企業が出てきて自社が駆逐されてしまうという虞もあります。
 従って、中小企業が狙う「ニッチ市場」は、小さすぎず、大きすぎずという市場が望ましいということになります。

 御社では「一番になれる市場」を考えていたでしょうか?

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参考資料:レッツノートについて
     日経ビジネス 2004年11月15日号

(経営コンサルタント 山田勉)

※ここに掲載したレポートは、
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