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新販路を増やすにあたり、検討方法を間違っている、というようなことはありませんか

  ○新販路を増やすにあたり、検討方法を間違っている、というようなことはありませんか
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 売上拡大のためには販路の拡大を考える必要があります。
 しかし、販路を拡大する場合には、既存の販路との競合の問題を考える必要があります。この問題を軽んじると、自社の業績悪化につながるおそれが出てくるのです。

 そこで、最初に代理店を通じて販売する業態の場合について事例を紹介し、次に、店舗を構える場合の問題点について指摘する事にします。

 もし御社が代理店を通じて販売する業態であった場合には、販路の拡大を間違えると窮地に陥る場合があります。
 例えば、アメリカのグッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバーがそうです。

 グッドイヤーはタイヤメーカーで、1999年には世界シェアでトップに立った会社です。それにもかかわらず、2003年4月に販路政策の失敗で倒産の危機に陥ったことがあります。この危機は次の販売政策の失敗からもたらされました。

 タイヤ市場では新車販売時のタイヤ需要は15%で、75%は車購入後に交換のために購入するタイヤ需要となっています。この車購入後のタイヤ販売の大部分は独立系ディーラーが行っています。

 このような販売構造で、大量販売のチャンスが発生したのです。
 2000年から2002年まで、アメリカでは空前の新車ブームでした。
 2001年には競合会社のブリヂストン・ファイヤストン製タイヤがフォードからリコールされ「緊急増産」という特需も発生しています。

 ここがチャンスと考えたのでしょう。そこでグッドイヤーは大量販売を考えたのではないかと推測されます。
 グッドイヤーが考えたのは量販店への供給を優先することでした。ウォルマートなどの大手小売店への供給を優先したのです。

 しかし、その政策は次のような結果になってしまったのです。

 グッドイヤーでは増産体制も後手に回り、フォード向け緊急増産で精一杯でした。このような状態で、フォードの次に量販店に優先的に供給したのです。その結果、独立系ディーラーにはタイヤが十分には回らなくなってしまったのです。
 そこで、それまでグッドイヤーのタイヤ販売に力を入れていた独立系ディーラーは競合他社の製品を取り扱い始めるという事態になってしまったのです

 このような事態に陥らないように、同じ製品を別々のルートに流す場合には注意が必要なのです。新しいルートでの販売が順調であればあるほど、既存の販売店の売上に悪影響を与えることになるのですから。

 事例の場合で言えば、今後の販売の主力をフォードや量販店と考えていたというのであれば別ですが、そうでなければ従来の独立系ディーラーを優先する必要があったものと考えられます。

 なぜなら、タイヤ市場の75%は車購入後に交換のために購入するタイヤ需要で、このタイヤ販売の大部分は独立系ディーラーが行っているからです。既存の売上の大部分を占める販路を無視することは自社を危機に陥らせる虞があるということは容易に想像できるからです。
 一時的な売上・利益よりも、継続的な売上・利益の確保を目指すべきであるということです。

 また、複数の販路に流す場合には、ブランド・商品名・仕様を変えるなどの方法も考える必要があるのです。
 実際のところ、ブランド・商品名・仕様を変えて別販路を開拓する企業は多いのです。

 例えば、最近はインターネットで直販を始めるメーカーも多くなっています。パソコンはその一例です。この場合でも既存の商品と同じ製品は直販しないメーカーが多いのです。

 車でもそうです。
 トヨタのマークツー(正式にはローマ数字)とクレスタは同様の商品であることはよく知られている
ところです。自社の販売店を分けて、商品名・仕様を変えて提供しているのです。

 今の時代は新しい販路を開拓することが非常に重要になっています。既存の販路の売上げが落ちているからです。しかし、従来の販路にかかわる業者に悪影響が出るのであれば、自社の売上・業績にも悪影響が出るようになるおそれがあります。その点を予測して販路政策を考える必要があります。

 この問題は、代理店を通して販売する業態の場合に限りません。
 例えば、店舗を構える商売の場合に販路拡大をする場合には、店舗展開を図るということになります。この場合にも問題が発生する虞があるのです。
 例えば、居酒屋中心の外食チェーンの「和民」が、ある市に2店目を出店した時のことです。社長の渡邉美樹氏が出店前にその町で場所を確認すると、なんと80メートル程しか離れていないのです。これでは「和民」の店同士でお客の取り合いになります。そこで、渡邊氏は新しい店のコンセプトを変え、2つの店でお客の取り合いにならないようにしたのです。

 以上から、新販路を考える場合には、新しい販路が従来の販路に悪影響を及ぼさないかどうかを検討する必要がある、ということになります。
 ただし、この問題については「分かっている」で済ませない事です。管理システムがきちんと設計されていると思われるグッドイヤーや和民でも、この問題が発生しているのです。新販路を増やす場合に危機に陥らない為に、この点のチェックを怠らないということが重要です。

 御社の新販路政策はいかがだったでしょうか。 
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参考資料:「米グッドイヤーについて」
      日経産業新聞 2003年4月9日

※今回のレポートは、『まぐまぐプレミアム版』
 実践!経営アップメール・プレミアム【第62】[2005/03/22]
 に掲載した記事を掲載しました。

(経営コンサルタント 山田勉)

※ここに掲載したレポートは、
メルマガ「実践!経営アップメール」「会社の◆経営体質を診断する!」
配信したものの一部を掲載しています。
レポートの内容は、最初に公開した当時のまま掲載しています。

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