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売上の季節変動が大きい場合の改善策について

 御社では売上の季節変動が大きいというようなことはなかったでしょうか。

 小売業では古くから「2月と8月は売れない」とされていて、この傾向はデータからも裏付けられていますが、これとは別に、売上が「季節」などの要因に大きく左右されている業界があるものです。
 例えば、スキー場、海水浴場等は季節を利用した商売ですから、季節変動があるのは当然です。
 それ以外にも、ランドセルや家具なども大きな季節変動があります。
 
 季節変動が大きいという事は、次の問題が発生します。

 売上が大きい時期は、人・機械・倉庫等を増強する必要があるのに対して、
 売上が落ち込む時期は、人・機械・倉庫等が余る。

 このような業態の場合には、まず、売上が落ち込む時期に合わせて人・機械・倉庫等を用意するということが重要です。
 逆に、売上が大きい時に合わせて人・機械・倉庫等を用意すると、売上が落ち込む時期に、それらが無駄となって、資金繰りを圧迫したり、利益が大幅に減る事になるからです。
 ですから、
 売上が落ち込む時期に合わせて人・機械・倉庫等を用意し、
 売上が大きい時期は、パート・アルバイトの活用やレンタルや外注・アウトソーシングで対応するのが原則です。

 例えば、季節変動が大きい食品業界では、繁忙期には総務担当者が団地に行ってパート・アルバイトを集めてきています。

 また、製造業で、今までなかった大口注文が来た時やブームで注文が大きく伸びた場合も同じ考え方が当てはまります。
 大口注文が来たからと、大きな工場を作り、人も増やしたが、その後大口注文が来なくなって業績が悪化し倒産した企業も多いからです。
 このような場合、外注で対処できなければ注文を断ることも考える必要があります。あるいは、一定期間の発注を保証する契約を結ぶことです。

 またブームと言えば、バブルの時に急拡大した企業で今は無くなっている企業も多いのです。アメリカの企業でITのブームの時に拡大したけれども、ブームが去って倒産した企業も多いのです。

 これに対して、ヨーロッパの企業には何百年と続いている企業も多いと指摘されています。それらの企業はブームに対して対応策があるから存続できているのです。
 ヨーロッパで何百年と存続している企業は、次のように考えているのだそうです。
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 ブームが来ても、それは一過性のもので、ブームが去ると売上はもとに戻
 る。だから元に戻った時のことを考えて、無理に増産したり、拡大したり
 しない。
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 製造できない分は断るのだそうです。

 商品特性により季節変動が大きい場合には、次の点を検討してみる事です。
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1.季節変動がある商品の季節変動を少なくする
2.落ち込む時期には他の商品を売る
3.購入の頻度を多くさせる
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 以下、解説しましょう。

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1.季節変動がある商品の季節変動を少なくする
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 この場合、次の2つが考えられます。
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(1)商品が売れる環境を推進する
(2)一年中売れるような商品を開発する
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(1)商品が売れる環境を推進する
 例えば、以前はアイスクリームは夏場しか売れませんでした。
 ところが、暖房設備が充実して冬でも暖かくなると、冬でも暖房の効いた部屋の中でアイスクリームを食べる人が増えたのです。

 環境が変わるとシェアが変わる場合もあります。
 例えば、キリンビールの例がそうです。
 販路を業務用と家庭用に分けると、業務用に弱かったキリンは家庭用市場開拓に力を入れていたのでした。戦後、ビールを大衆が家庭で飲むようになり、急速に家庭用が伸びて昭和29年にシェア逆転したのでした。

 もちろん、暖房とか冷蔵庫の普及はそれぞれのメーカーではできない事です。しかし、暖房とか冷蔵庫の利用により、自社の商品が季節に関係なく食べたり飲んだりする楽しみを味わえるということはアピールできます。

 このような方法をとったのが、サントリーでした。
 サントリーは自社生産ウィスキーのオールドを売るのに次の方法を採用しました。
 日本では晩酌に日本酒や焼酎を飲んでいる。ウィスキーが和食にも合うと思うようになれば、ウィスキーは家庭でももっと飲まれるようになるはずだ。
 そこで、サントリーは和食にウィスキーを添えたコマーシャルを出し続けて売上を伸ばしたのです。

(2)一年中売れるような商品を開発する
 例えば、蒲鉾などの水産練製品の業界がそうです。
 水産練製品はおせち料理やおでんなどの鍋物など冬の料理材料としての性格が強く、大きな季節変動があります。
「カニ風味かまぼこ」の開発で一年中売れる商品ができたのです。

2.落ち込む時期には他の商品を売る
 季節変動が大きい業界は、この点を考えて対策を取られている場合が多いとは思います。但し、立てられていない業界も多いようです。

 例えば、家具店がそうです。
 家具店は、新築・引っ越しや婚礼、新入学・新就職などの需要に支えられてきました。年間を通じて売上の変動が大きい上、耐久消費財という性格上、常に新たなお客を獲得する必要があります。
 ところが、最近、結婚数が減り、狭い部屋にはじゃまになる婚礼セットを購入する新世帯も少なくなり、家具店は業績が悪化しています。
 そこで落ち込む時期に売れる他の商品が必要となります。
 あるいは、年間を通じて売れる商品が必要となります。

 この点、ニトリなどは「カーテンなどのホームファション分野を強化する」ことで売上の波を少なくしようとしています。

3.購入の頻度を多くさせる
 耐久消費財でも購入客に頻繁に来店させる方法もあります。
 例えば、アイリスオーヤマでは、ソファや家具のカバーを交換できるようにしています。この仕組みにより、頻繁に来店するようにしています。
「ソファ以上にカバーを売りたい」
と大山社長は話しています。
 
 付属品や交換できる仕様は来店を増やし、売上を上げるのに役立つのです。

 御社では売上の季節変動が大きいというようなことはなかったでしょうか。
 季節変動の対策は色々と行っているでしょうか。
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参考資料:ニトリ・アイリスオーヤマについて
     日経ビジネス 2005年1月10日号

※今回のレポートは、『まぐまぐプレミアム版』
 実践!経営アップメール・プレミアム【第67】[2005/06/14]
 に掲載した記事を掲載しました。

(経営コンサルタント 山田勉)

※ここに掲載したレポートは、
メルマガ「実践!経営アップメール」「会社の◆経営体質を診断する!」
配信したものの一部を掲載しています。
レポートの内容は、最初に公開した当時のまま掲載しています。

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