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事業を発展させるために重要なモノとは

 経済産業省の「工業統計表」の集計によると、開業してから10年で約80%
の事業所がなくなっている計算になります。約2割の存続率です。
 開業の初年度に、25〜30%が退出し、2年目以降は、毎年残っている事業所から十数パーセントが退出する、という状態です。

「商業については工業統計表のようなデータはなく、
 今後作成する予定もまだない」
というのが中小企業庁の回答ですが、
 両者の事業特性の差から、商業の場合は工業よりも存続率は低いと考えられます。

 会社を経営するからには、事業を存続・発展させたいものです。
 実は、事業を存続・発展させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。

 このような考えに対しては、「経営では、勘と度胸と経験が大事だ」と考える方もおられます。

 しかし、考えなければならないのは、企業が失敗する大きな要因の一つに「過去の成功」というのがあるということです。
 成功すると、その成功した考え方から離れられない方が多いのです。
 特に、「勘と度胸と経験が大事だ」と考える方は、従来のやり方を踏襲しよう
とする傾向が強いだけに、経営環境が激変している今日では、失敗の虞が高いと考えられます。

 そこで、事業を存続・発展させるためには重要なポイントを意識して押さえて経営を行う事が重要だ、ということになるのです。
 特に次の点については、中期経営計画策定時に考慮すべき点です。 
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 □成長事業分野に属し続けること
 □売れる仕組みを構築すること
 □強い商品力を持つこと
 □戦略に対応した組織編成が行われること
 □管理システムが作られていること
 □人材能力を高めること
 □好ましい組織風土を形成すること
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 まず、事業分野が成長していることは重要な要素です。
 衰退している分野では、いくら努力しても市場が縮小していくので、努力
の効果がなかなか出てきません。これに対して、成長事業分野では、その事業に関連する者が売上を上げようと努力するし、また、お客も購入しようという意識になっていくので、努力の効果が相乗的に現れてくるからです。成長事業分野に属することは有利なのです。

 成長事業分野に属し続ける為には、トレンドを踏まえて事業分野・業態・販路・商品等を考えることです。
 そこで、成長事業分野を取り込んで発展してきた会社を取り上げて解説しましょう。

 ワタベウェディング株式会社は、本社を京都においている総合ブライダル業の会社です。この会社が発展した節目節目にあったのは、トレンドを予測して「成長事業分野」を取り込んだことです。

 ワタベウェデイングは、1953年に貸衣装店「ワタベ衣装店」としてスタートしました。
 修業先の東京の貸衣装屋で総合結婚式場「目黒雅叙園」の営業を担当した現社長の渡部氏が京都に戻ると、京都駅前に総合結構式場をオープンしました。これは「いずれ京都も総合結婚式場が必要になる」と感じていたからでした。
 日本では団塊の世代のブライダルブームが訪れ、1972年には最多の110万組を記録したのでした。
 渡部氏が総合結婚式場に進出したのは、成長事業分野だったからです。

 当時、海外への出国者数も年間80万人になっていました。国内での戦いに限界がくると感じていた渡部氏は「ハワイで結婚式を挙げたい」というカップルが2組あったことを聞いて、ビジネスチャンスと考えます。そこで、ハワイでの市場調査で年間1000組の日本人がハワイで結婚式を挙げていることを知ると、1973年、ハワイ・ホノルルに海外第一号店をオープンしたのです。初年度1000組、2年目は1500組と売上を伸ばして、海外展開を続けるようになっていったのです。
 これは、「成長する販路」を開拓したということです。

 1970年代後半からチャペルでの結婚式が増えてきます。
 すると、「まっさらのウェデイングドレスを借りたい」とか、「自分にぴったりフィットするサイズのドレスを借りたい」というニーズが高まってきました。
 そこで渡部氏は、1980年代に入ると京都にウェデイングドレスの専用工場を建設します。そして全国の営業店で、このオリジナルのウェディングドレスの販売を開始したのです。1993年には上海にウェディングドレス工場を設立し、レンタルよりも安い価格でウェディングドレスの提供を可能にしています。
 これは、トレンドを把握して事業分野を拡大したのです。

 渡部氏は、お客様のニーズ・トレンドをうまくつかみ事業拡大をしたのですが、トレンドを把握しただけでなく戦略を考えて取り組んでいます。
 例えば、ハワイに進出した時は、初年度は利益が出ないほど低い価格設定をしています。これは次の点に理由がありました。
「ブライダルはパイの奪い合い。先に思い付いたら、いかに参入壁を高くするかを考えることが大事なのです。」

 ウェディングドレスを自社生産したのも次の考えがあったからです。
「同業他社と同じ商品を店頭に並べるだけでは、価格をいかに下げるかの勝負になってしまう。他社にはない商品を安く売ろうと考えました」

 では、なぜそのような発想が出来たのでしょうか。
「20年先への不安があった。いずれ国内での戦いには限界がくる」と感じていたことにあります。
 目先の利益ではなく、20年先の利益を考えていたからこそ、そのままの状況に不安を感じたのです。

 つまり、渡部氏の発想は、次の考えから出てきているのです。
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・事業は、「経営体質を強化」することが重要である。
・そのためには、
 目先の利益ではなく、将来、その事業で利益が取れるかどうかを考える。
・そのためには「成長事業分野」を取り込む。
・また、競合対策を考える。
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 御社は成長事業分野に属していたでしょうか。
 もし、今は成長事業分野に属してはいないが、今後成長事業分野に進出したいというお考えであれば、戦略的中期経営計画の中で、成長事業分野の新規事業を検討することです。

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参考資料:ワタベウェディング株式会社について
      「上場させる組織と人材」
     和納勉 著 ナナ・コーポレート・コミュニケーション

※今回のレポートは、『まぐまぐプレミアム版』
 実践!経営アップメール・プレミアム【第72号】[2005/08/23]
 に掲載した記事を掲載しました。

(経営コンサルタント 山田勉)

※ここに掲載したレポートは、
メルマガ「実践!経営アップメール」「会社の◆経営体質を診断する!」
配信したものの一部を掲載しています。
レポートの内容は、最初に公開した当時のまま掲載しています。

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