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「社員に一度言ったら分かっている」と思っている、というようなことはありませんか


 指示した方針に反している部下を見つけた時、あなたはどのようにしているでしょうか。
 次のうちから選択するとしたら、どちらでしょうか。
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1.「一度言っていることだから分かっているはずだ」から何も言わない
2.繰り返し叱る
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「一度言っていることだから分かっているはずだ」からと何も言わない方もおられます。
「あまりしつこく言っても……」
 と思うからです。

 実際、そのように言われた経営者の方がおられました。
 次のように思っていたからです。

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 社員を変えようとしても難しい。
 社員を変えようとするよりも、
 自分を変える方が容易である。
 自分が変われば社員が変わる。
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 あなたはもそのように思ってはおられないでしょうか。

 確かにそういう場合もあるでしょう。
 また、その方が望ましい場合も確かにあります。

 しかし、その経営者の場合は、残念ながら社員はその期待に応えてはくれなかったのです。

 あなたの場合はいかがだったでしょうか。

 実は、そのような事態が発生した時、多くの場合、「その指示を忘れている」から、指示に反した行動をしているのです。
 もし、「知っているのにそのような行動を行っている」のであれば「懲戒」の対象になるのですから。
 通常の会社であれば、「懲戒」の対象になると分かっていて指示に反した行動をする人はそれほどいません。
 ですから、指示に反した行動が取られている場合には、まず「忘れている」と思うことです。そして、指示内容を繰り返し、言うことが必要なのです。

 もっとも、長年繰り返してきたやり方を変えるには「抵抗」が出てくる場合があります。その場合「懲戒対象」だと言っても始まりません。全員を懲戒対象にするわけにも行かないのですから。

 例えば、MKタクシーで、身体障害者優先乗車のキャンペーンを始めた時のことです。車体の後部左ドアに"身障者優先"のステッカーを貼らせたのですが、運転手は格好悪いと、隠れて剥がしてしまうのです。オーナーの青木定雄氏は、見つけるたびに叱り、貼らせるのですが、運転手は、また隠れて剥がしてしまうのです。見つけては注意し貼らせる、ということが繰り返し続いたのです。評判が広まってお客がMKタクシーを選んでくれるようになって、ようやく運転手も理解するようになったというのです。

 このような場合、繰り返し言うしかないのです。

 なぜ、経営者の思いが伝わらないのかというと、それは「言葉不足」だからです。
 経営者があることをしようと思うと、繰り返し考察してその思いが熟して方針を出しているものです。
 ところが、部下の方は、初めて聞く方針なのです。ですから、方針がすんなりと日常の活動につながらない人も多いのです。
 ですから、経営者の思いを部下に伝えるためには、そのための方法が必要となります。
 そのための方法とは、次の方法です。
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 方針を社員に日常行動で実行したもらう為には、
 方針を経営計画で具体化し、各部門の行動に落とし込んでおく必要がある
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 もっとも、経営計画を策定した後で出てきた方針もあるでしょう。その場合は
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 あらゆる機会を捉えて、繰り返し伝えることが必要なのです。
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 例えば、松下幸之助さんも、自分の思いを徹底させるために、同じ趣旨の話を繰り返ししたと言われています。ただし、話す内容は変えて、最後は同じところに落とし込んでいました。
 繰り返し話をする時に同じ話では「またか」と思われて、聞いている側の吸収力も薄くなりがちだからでしょう。ですから、出だしは少し変えた方が良いのです。

「繰り返し」について、次のように言われていたコンサルタントがいました。

「指示に反していたら、繰り返し叱ることが重要です。
 すると、ある時、ふっと『しつこいかな』と思って叱るのを止める人がいます。
 しかし、そこで叱るのを止めてはいけないんです。そこで叱るのを止めると『社長は本当にしつこいんだから』で終わってしまう。だから『しつこいかな』と思ったら、もう一度叱ってから止めるようにした方が良いんです。」

 社長は社員に「本気だ」と思わせることが重要だ、ということです。
「本気だ」と思わせるためには繰り返しが必要で、「しつこい」と思っても、もう一度言う必要がある、ということです。

 次の点も重要です。
 社員の理解を深めるためには「なぜそのように考えるのか」、その「背景」も知らせることです。「なぜか」が分かれば、理解しやすくなるからです。

 背景には、理論的な理由や、今後の経営環境の変化もあります。

 また、背景については、「社長の体験」も重要な事項です。なぜそのように考えるようになったのかについては、その人の過去の体験が大きく影響しているからです。
 この点について、例を挙げておきましょう。
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 歌手の森進一と森晶子が今年2005年3月に離婚しました。
 離婚の原因には、「子育てについての考え方の違いも影響している」と発表されています。
 森進一が「こどもは厳しく育てたい」と考えたのに対し、森晶子が甘やかしすぎた、ということです。

 この両者の考え方の違いは両者の子供自体の体験から出てきています。
 森進一は、両親の離婚によって貧しく育ち、中学を出て集団就職で東京に出て、職業を転々としながら苦労の結果、歌手として大成したのです。その体験からは、子供は一人でも生きていけるように厳しく育てるべきだ、という考え方につながりやすくなります。
 
 他方、昌子は両親に大事に育てられました。だから、「子供は大事に育てたい、できるだけやりたいことをやらせてあげたい」、と思うようになったのだろうと推測されるのです。
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 つまり、このような価値観の違いは「体験」から出てくるのです。
「価値観」から出てくる結論には、なかなか納得出来ない場合も多いのです。なぜなら、自分の持っている「価値観」からは、違う結論が「正しい」と思ってしまうからです。ですから、森進一と森晶子は長年一緒に暮らしていたにもかかわらず、子供の育て方について、考えが一致しなかったのです。

 ですから、もし、社員に対して出した方針が自分独自の「体験」から出ているものだとしたら、社員は簡単には理解できなくなってしまうのです。その「体験」から出てくる考えは理屈では理解できないものも多いからです。
 この場合、自分の体験を話して、だから自分はそのようにしたい、と繰り返し話して自分の考えを理解してもらうようにするしかないのです。

 このようにお話しすると、「自分の体験」を繰り返し話す事が、なぜ「価値観」の違いを解決するのかと思う人も中にはいるかもしれません。

 実は、「自分の体験」を繰り返し話す事は、聞いている者に「疑似体験」をさせているのです。ですから、「疑似体験」に基づいて価値観が変更される可能性があるのです。
 ですから、できるだけその場で体験したことを聞いている者が「疑似体験」できるように話す必要があります。

 以上を整理しておきましょう。
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□一度方針を社員に言ったからと言って社員が理解しているとは限らない
□方針に反したことが行われていたら、繰り返し注意すること
□方針が実行されるように、
  経営計画と日常の活動手順に落とし込んでおくこと
□方針の背景を充分に理解させること
□方針の背景が体験であるなら、その体験を繰り返し、社員に話し、
 だから自分はこうしたいと繰り返し話すこと
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 御社では、一度言ったことが徹底されているでしょうか。

※今回のレポートは、『まぐまぐプレミアム版』
 実践!経営アップメール・プレミアム【第79号】[2005/12/13]
 に掲載した記事を掲載しました。

(経営コンサルタント 山田勉)

※ここに掲載したレポートは、
メルマガ「実践!経営アップメール」「会社の◆経営体質を診断する!」
配信したものの一部を掲載しています。
レポートの内容は、最初に公開した当時のまま掲載しています。

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